こんにちは。
助産師の谷口です＾＾

妊娠中、
「腰が痛い」「お尻の奥がズキッとする」
といった症状を感じたことはありませんか？

もしかするとそれは“仙腸関節痛”かもしれません。

小さな動きでもズキッとした痛みが出たり、
歩く・寝返りなど日常動作が辛くなることもあります。

病院で多くの方に関わる中で、
痛みに悩んでいる妊婦さんの多くが
「妊娠中だから仕方ない」と諦めていることに気がつきました。

今回のblogでは、妊婦さんが不調を諦めずに過ごせるようにと思いを込めて、
仙腸関節痛についてわかりやすく解説していきます！

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＜目次＞
１・そもそも仙腸関節って？
２・なぜ妊婦さんは仙腸関節が痛くなりやすいの？
３・仙腸関節に負担がかかりやすい「身体の使い方の癖」って？
４・日常の「身体の使い方の癖」を修正しよう
５・自宅でできるエクササイズをご紹介
６・腰痛に悩む妊婦さんへ

１・そもそも仙腸関節って？

骨盤は4つの骨でできていて、いくつかの関節があります。

その中のひとつが、イラストで示すように
「仙骨」と「腸骨」がつながっている部分にある「仙腸関節」です。

仙腸関節は小さいけれどとても大事な関節。

膝や肘のように大きく動く関節ではありませんが、
わずかに動いて衝撃を吸収するなど、
骨盤の安定性を保つ役割を果たしています。

２・なぜ妊婦さんは仙腸関節が痛くなりやすいの？

原因を大きく３つに分けて説明していきます。

①リラキシンによる靭帯の緩み

通常はほとんど動かず安定している関節ですが
妊娠中はリラキシンというホルモンの分泌により骨盤周囲の靭帯が緩みます。

それにより関節が不安定になり痛みが生じることがあります。

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②妊娠中の姿勢変化

お腹が大きくなることで姿勢が変化します。
それにより骨盤のアライメント（傾きなど）が崩れ、痛みが生じることがあります。

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③骨盤の不安定性

筋力低下や体重増加により骨盤をうまく安定させられず、仙腸関節への負担が強くなり、痛みが生じることがあります。

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これらの原因により妊娠前と状態が変化することで痛みが生じます。

「仕方ない」と放置しがちですが、実は多くの場合、適切なケアで改善することができます。

そこで、まずは見落とされがちだけどとても大切な
日常の「身体の使い方の癖」について説明していきます！

３・仙腸関節に負担がかかりやすい「身体の使い方の癖」って？

妊娠中は、身体が変化することで動きが制限されたり、バランスが崩れたりします。

その結果無意識のうちに片側ばかりに体重をかけたり、同じ側で動作を行いやすくなります。

たとえば….

・毎晩同じ向きで寝ていませんか？

・いつも同じ肩にバッグをかけていませんか？

・上の子をいつも同じ腕で抱っこしていませんか？

・立っている時、片足重心になっていませんか？

こうした癖は、片側の仙腸関節にだけ負担をかけ続けることになり、痛みにつながっていきます。

また腰痛などの不調があると、余計に楽な姿勢に頼ってしまいやすくなります。

４・日常の「身体の使い方の癖」を修正しよう

「難しい運動は苦手」
「忙しくて運動の時間が取れない」

そんな妊婦さんでも、日々のちょっとした意識で仙腸関節への負担を減らすことができます。

今日からできる4つのポイントをご紹介します。

①立つとき・歩くときに「左右均等」を意識しよう

まずは「両足に体重をのせて立つ」ことを意識してみましょう。
骨盤が左右に傾きにくくなり、仙腸関節の安定につながります。

②バッグや荷物は”交互に持つ”

普段のバッグをリュックに変える、左右で交互に持ち替えるように意識するだけで、
骨盤への偏った負担が軽減されます。

③横向きで寝る時は「足の間にクッション」を！

妊婦さんは横向きで寝る方が多いですが、膝同士が重なると骨盤がねじれて仙腸関節に負担がかかります。

膝の間にクッションやタオルを挟むことで骨盤が安定し、痛みの予防につながります。
また、横向きや左向きで寝ることにこだわらず、楽だと感じる体制をとることがおすすめです。

④椅子に座る時は「お尻を深く」&「骨盤を立てて」

浅く座って背もたれにもたれかかる姿勢は、骨盤を後傾させ、仙腸関節にストレスをかけます。

座るときは深く腰かけて、左右均等に体重を乗せて座る意識を持ちましょう。

５・自宅でできるエクササイズをご紹介

自宅で比較的簡単に行えるエクササイズを2つご紹介いたします。

仙腸関節は、お尻やお腹の筋肉・骨盤底筋群などがバランスよく働くことで安定するため、
それらの筋肉へアプローチをしていきます。

⚫︎骨盤周りの緊張を緩め、動きをスムーズにする

⚫︎骨盤を安定させるためのお尻の筋肉にアプローチ

ぜひ自宅で取り入れてみてくださいね＾＾

６・腰痛に悩む妊婦さんへ

仙腸関節は骨盤の安定のために大切な関節ですが、
妊娠・出産によるホルモンの影響や
日常の偏った動作によって
知らず知らずのうちに負担がかかり、
痛みを引き起こすことがあります。

実は私自身も仙腸関節痛に悩み、
思うように動けない辛さを経験しました。

まずは生活の中の偏った動きに気づくことからはじめ、無理なく続けられるケアを取り入れて、
少しでも妊娠・産後ライフを快適に過ごせるよう一緒に頑張っていきましょう！

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