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2024.09.19 | コラム

正しいスキンケアで赤ちゃんのアレルギーを予防しよう

この10〜20年で
アレルギーの考え方は大きく変化しています。

かつては妊娠中や授乳中の予防的な除去、
乳幼児に対する食物制限が推奨されていましたが、
様々な研究からこれは否定されています。

では、
現在推奨されているアレルギー予防の考え方について、みなさんご存知でしょうか?

正しい知識を持つことで
赤ちゃんのアレルギーは予防をすることができます。


目次
1・今のアレルギー予防の考え方って?
2・赤ちゃんのお肌は実はとってもデリケート
3・赤ちゃんのスキンケアのポイント
4・乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違い
5・赤ちゃんに湿疹ができたときの対処法
6・maemo atomo studioについて
7・アレルギー疾患に関する信頼のおける正しい情報


1・今のアレルギー予防の考え方って?

“経皮感作”という言葉を聞いたことがありますか?

正常な皮膚は角質に守られており、
異物が侵入しにくいつくりになっています。

しかし、乾燥や湿疹があると皮膚のバリア機能が低下するため、そこからアレルゲンなどの異物が体内に侵入することができます。

体内に侵入すると、
免疫細胞と反応して感作が起こります。
これを”経皮感作”といいます。

感作が成立した後に
再度アレルゲンが体内に入ると、
アレルギー症状を引き起こします。

つまり、
乾燥や湿疹の出やすい赤ちゃんは
“経皮感作”をする可能性が高く、
それにより、離乳食が始まったときなどに
アレルギー症状を起こす可能性が高い
ということになります。

近年の研究では、
赤ちゃんの湿疹を早期に治療し
バリア機能を回復させることで
食物アレルギーの発症を抑えることが報告されています。

(Yamamoto HK,et al.2023)

つまり、
赤ちゃんのお肌を良い状態に保つことが
食物アレルギーの予防になる
ということです。

またこれが、
アトピー性皮膚炎の重症化予防にも繋がります。

現在のアレルギー予防の考え方として、
・湿疹を積極的に治療すること
・予防的に特定の食物を遅らせたり制限せずに様々なものを食べていくこと

が推奨されています。

今回の記事では、
特に出生後早期からの対応が大切な
スキンケア、湿疹への対処方法を中心に解説していきます。

2・赤ちゃんのお肌は実はとってもデリケート

赤ちゃんのお肌はツルツルすべすべのイメージですが、実はとてもデリケートです。

赤ちゃんのお肌はまだ成長過程にあるため
表皮は大人よりも薄く、
角層の細胞は小さく未発達なため、
大人の約2/3程度の薄さしかありません。

大人にとっては問題のないものでも
赤ちゃんにとっては刺激となり、
皮膚トラブルを起こす可能性があります。

また、乾燥や肌荒れした皮膚では、
バリア機能が低下しているため、
普通なら感じないような刺激で
かゆみが強くなって掻いてしまうことがあります。


赤ちゃんのお肌にとって刺激になる可能性があるもの

・衣服やタオルの摩擦
できるだけ肌触りのよいものを選びましょう。
また、抱っこしたときに赤ちゃんの肌に触れる可能性のある両親の衣服の素材などにも配慮をしましょう。

・洗濯洗剤や柔軟剤
香料や着色料は刺激になるため避けましょう。

・おしっこ、うんち、よだれ
皮膚に刺激となるような物質が皮膚に触れることで
その部位に赤くザラザラとした湿疹(いわゆる”かぶれ”)が出ることがあります。


・日焼け
乾燥しやすい赤ちゃんは特に、
炎天下では長時間にわたって太陽に当たらないようにしましょう。

・汗
小さな身体に大人と同じだけの汗腺があるため、
汗をかきやすいです。
汗も刺激となることがあります。

・日焼け止め、虫除けスプレー
皮膚がかぶれないか確認してから使いましょう。
どちらも塗る場合は、
保湿剤→日焼け止め→虫除けスプレーの順番がおすすめです。

3・赤ちゃんのスキンケアのポイント

スキンケアとは、
皮膚を清潔にして、積極的に保湿することで
皮膚のバリア機能を保つケア
のことです。

ポイントを3つに分けてご紹介します。


①洗浄剤を泡立てて素手で顔も身体も洗う

ガーゼやタオルなど皮膚の刺激となるものは避けて
素手でたっぷりの泡を使って汚れを落とします。

洗浄剤も添加物の少ないものを選びましょう。

頭皮の皮脂が多い赤ちゃんでは
赤ちゃん用のシャンプーを使いましょう。


②洗浄剤の泡や成分が残らないよう十分に洗い流す

拭き取るのではなく、
シャワーなどで洗い流すことが大切です。


③入浴後はすぐにたっぷり全身に保湿剤を塗る

入浴後、皮膚が乾燥しないうちに
タオルで水分を拭き取ったらすぐに保湿剤を塗りましょう。

ティッシュペーパーが1枚張り付くくらい
ベタベタに、たくさん塗ることが大切です。

4・乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違い

乳児湿疹

新生児期〜乳児期にできる湿疹を
総称して乳児湿疹と言います。

この時期は診断が難しいため、
アトピー性皮膚炎、乳児脂漏性湿疹、
おむつやよだれかぶれ、あせも、乾燥肌
これらも全て乳児湿疹に含まれます。

正しいスキンケアを行うことで、重症化・長期化せずに軽快するものが多いです。


アトピー性皮膚炎

両親またはきょうだいにアトピー性皮膚炎の方がいる赤ちゃん、肌が乾燥しがちな赤ちゃんは、
特に生後早期からのスキンケアが大切になります。

また、専門の医師の指示のもとで正しく治療を行うことが大切です。

アトピー性皮膚炎の特徴を①〜③に分けて紹介します。

①かゆみがある
赤ちゃんもかゆみを感じますが、
「かゆい」とは言えないため動作であらわします。

顔をすりすり、裸になるとポリポリ。
床に背中絵をこすりつけるように身体をクネクネ。
足と足をこすり合わせてスリスリ。

掻くことで湿疹は
さらに悪化し、長期化します。


②特徴的な症状がある
おでこ、目や口や耳の周り、首、手や足の関節のやわらかい部分で、
左右の同じような場所にあらわれることが多いです。


③良くなったり悪くなったりを繰り返し、慢性の経過を辿る
1歳未満では2か月以上、
1歳以上では6か月以上を慢性と言います。

5・赤ちゃんに湿疹ができたときの対処法

湿疹ができてしまったら
できるだけ早く対処することが大切です。

☑︎皮膚の写真を撮る
☑︎いつからどの部位に湿疹ができたかメモをする
☑︎生活環境で刺激になっていそうなものはないか、
普段と違うことはなかったか振り返る

まずは上記のチェック項目を確認します。

そして、適切なスキンケアを行っても改善してこない場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診しましょう。

湿疹くらいで受診をしても良いのかと思ってしまったり、受診するほどのことなのかと判断が難しいこともあるかと思いますが、
できてしまった湿疹を放置することには、
たくさんのリスクがあります。

湿疹の治療を開始するまでの期間が長いほど
食物アレルギーになりやすい


“かゆみ”と”掻く”ことの悪循環は
湿疹をさらに悪化させ、長期化させる


・湿疹の状態が悪いことが
深く眠れないなど、睡眠にも影響
→疲れやすい・機嫌が悪いなど、心と身体の発達にも影響

→家族の心理面や社会生活にも影響


湿疹をただの湿疹と放っておかず、
リスクを知り、
早めに対処することがとても大切です!!

6・maemo atomo studioについて

maemo atomo studioは
助産師・理学療法士のみが在籍する
産前産後に特化したピラティススタジオです。

わたしたちは
産前産後の運動の専門家であるだけでなく、
助産師・理学療法士としてこれまで病院などで
たくさんの妊婦さんや産後のお母さんと関わり、
経験を重ねてきました。

育児をしている中での
ちょっとした不安や悩みごとも、
いつでも気軽に相談していただくことができます。

変化が大きく、
悩みごとの尽きない産前産後の時期に、
いつでも相談できるパートナーとして。

maemo atomo studioへ
是非1度お越しください。

7・アレルギー疾患に関する信頼のおける正しい情報

たくさんの情報があり、
判断に迷うことも多いと思います。
正しい情報を入手するようにしましょう。
信頼できるサイトを以下に掲載します。

・アレルギーポータル
(アレルギーに関する様々な情報を集めたサイト)
https://allergyportal.jp

・詳しいスキンケアの方法について
https://www.erca.go.jp/yobou/event/r02remote03/pdf/skin_care.pdf
(環境再生保全機構:乳幼児スキンケア.2020)


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