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2024.09.13 | コラム

「帝王切開でお産をされた方へ」助産師よりメッセージ

maemo atomo studioは
日本で唯一の、産前産後に特化した
ピラティススタジオです。

今までにmaemo atomo を利用してくださった
妊婦さんは300人以上いらっしゃいます。

中にはもちろん
帝王切開でのご出産になる方もおられます。
今回の記事は、maemo atomo 助産師の
帝王切開への思いとメッセージです。

これから出産を控えている方も
帝王切開でのお産や
思っていたお産ではなかった方も
是非お読みください。


手術室看護師の経験がある助産師
井上さんより

手術室に配属された新人が
1番最初に覚える手術は「帝王切開」です。
その理由は【緊急であり頻度が高い】からです。

それほど出産は命がけであるという事です。

ちょうど手術室3年目の時、
忘れられない緊急帝王切開がありました。

日勤が終了する夕方
産科病棟から電話が入りました。
「胎児心拍が低下し回復しないため、
今すぐ帝王切開をお願いします」

次の日の手術の準備をしていた私は器械出しの準備
その他空いているスタッフは手術室の部屋の準備
麻酔科や新生児科の医師も緊急帝王切開のため
バタバタと急いで準備をしていました。

そうこうしていると、
ベッドに横たわる産婦さんや
産科医・病棟助産師が
なだれ込むように手術室に入り
緊迫した状態が顔色、声、行動でも伝わりました。

その時すでに子宮口は全て開き、
赤ちゃんの頭も下がっていたので、
そのまま経膣分娩の判断がなされ、吸引分娩の準備。


産科医が赤ちゃんの頭に吸引カップをつけ引っ張る
1回目の吸引では赤ちゃんは出てこず
心音も回復してこない。

再度、帝王切開の判断がなされ
全身麻酔へ。

お母さんが眠った瞬間
手術室にいたスタッフは全員必死で、無我夢中で、
赤ちゃんの泣き声が聞けるよう
1分1秒を争う状況下で手術が開始されました。

帝王切開には何度も立ち会っていましたが
その時はあまりにもはやい手技でついていくのがやっと。
その中でも「赤ちゃん、頑張れ、頑張れ、、」
と心の中で必死に願っていました。

手術開始約1分後 赤ちゃんは出生
吸引、刺激、、、無事に産声をあげてくれました。
すぐさま新生児科医に赤ちゃんを診てもらい
ひとまず大丈夫そうだけど赤ちゃんはNICUに入院へ。

その場にいた全員の緊張が安堵に変わった瞬間でした。
その後、お母さんの帝王切開も順調に進み無事終了しました。

赤ちゃんの元気な泣き声を聞くことができるよう
お母さんの命が助かるよう
医療者は必死で現場に立ち
お母さんと赤ちゃんの命に向き合っています。

全ての帝王切開がこのような
緊急度が高いものではありませんが
どんなに正常に経過していた場合でもリスクがあります。

命がけで赤ちゃんを生むということは
経膣分娩も帝王切開も同じことだと
臨床現場を経験し多くのお母さんと赤ちゃんから学びました。

出産を乗り越えた
お母さんと赤ちゃんは本当に立派であり
無事でよかった、よく頑張ったと、心底感じます。

今は5人に1人が帝王切開と言われており
決して珍しい出産方法ではありませんが
少しでもリスクを低下させたい思いで運動を提供しています。

「人生に何度とない妊娠出産育児を
大切な赤ちゃんとお母さんと家族で
幸せ溢れる時間を過ごしてほしい」

その思いで、助産師としてできる
最大限のサポートをさせていただいています。 


病院勤務経験10年以上の助産師
西田さんより

病棟に勤務していた頃に、
50代の大ベテラン助産師の先輩が
「毎回、お産に立ち会うたびに今も緊張するよ」
そう話してくれたことがありました。

思ってもみない緊急事態。
赤ちゃんと、お母さんの命の危機が
お産中やその前後で起こりうるということを
多くの人は知らないし、考えないと思います。

妊娠中に、母子ともに元気そのもの!と
過ごしていた方にも起こるリスクがあります。

緊急帝王切開になった方を沢山みてきました。
医師や助産師、手術室の何十人ものスタッフが
赤ちゃんと、お母さんの命が
「無事でよかったー!」と
喜び安堵する瞬間を沢山みてきました。
(私は経験10年目以上になっても、
この産声の瞬間に必ず泣きそうになりました)

人の顔と同じように、
お産の経過は1つとして同じではありません。

「緊急事態が起こりうる」
それが、大ベテランの助産師でも
分娩介助に緊張し続ける理由です。

お母さんが経膣分娩を望んでいても
赤ちゃんの命が優先される場面もあります。
まだ産まれるには早い時期だけど
お母さんの命が優先される場面もあります。

とにかく命が助かることが最優先!

緊急帝王切開でご出産した方へ、
「本当に頑張りましたね」
「無事で良かったですね」
その言葉しか出てきません。
お産を終えたお母さんへの
祝福、尊敬、ねぎらい、感謝・・・
いろんな気持ちを込めた言葉です。


病院勤務経験6年の助産師
城内さんより

子宮の入口も開いているし、
さあお産まであと一歩、というところで
お産が停滞してしまうことも、たくさんあります。

妊婦さんは痛くて辛い中でもスクワットをしたり、
スタッフも旦那さんも
一緒にマッサージをしたり呼吸法をしたり、
赤ちゃんに会うために
1つのチームとなり必死にサポートします。

できるだけその方の思い描くお産にしてあげたい。
それでも命には代えがたく
緊急帝王切開になることもあります。

そんな時はもっとこうしてあげたら………
とぐるぐると考えることもたくさんありました。

ぐるぐる考えていても、
お産後にお話しを聞きにいくと
「自分の力は出し切れました。
思ったより夫も頑張ってくれていたし(笑)
赤ちゃんもよく頑張ってくれました。」
と清々しい笑顔で話をしてくれる方もおられました。

その方が「やりきれた」と思うことは
すごく大切だと身に染みて感じました。
また、やっぱり母はすごいなと感じる瞬間でした。

そして、それはお産だけでなく
妊娠中からも同じことが言えると思います。
妊娠期間やお産を「やりきれた」と思えるように、
maeto atomoで助産師として
全力でサポートをしていきたいと思っています。


maemo atomo studioでは、
妊娠中に通ってくださった皆さまには
お産になったら教えてくださいねとお伝えしています。

その理由は
“お母さんと赤ちゃんの無事を知りたいから”
ただそれだけです。

どんなお産であっても構いません。

“お母さんと赤ちゃんが無事でお産になること”
そのことだけが願いです。

妊娠も出産も、育児も
命懸けです。

そんな命懸けの時期に
maemo atomoはどんなときも味方でありたいと
思っています。

再度前編を読みた方は
こちらから戻れます!

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